あなたは正月休みにどの本を読むのか
さあ、正月休みに入った。
あなたは、この正月休みに読む本を決めているだろうか?
何? 家庭サービスで忙しいから本は読まない? 面白そうなテレビがたくさんあるから本は読まない? やることがたくさんあるから本は読まない? 試験に関係ない本は時間の無駄だから読まない?
あなたはどうだろうか。あなただ。今、これを読んでいるあなただ。あなたに聞いているのだ。
さあ、答えてほしい。もう読む本を決めているだろうか? 決めているのなら、何冊決めているだろうか?
たしかに年末年始は忙しいだろう。しかし、本当に自分を高めようという気があれば、1冊でも2冊でも読む時間は作れるはずだ。本も読まず、なんとなく惰性で生きていても、精神面での成長は何もない。本気で自分を高めようと思っているのなら、もうそんな生ぬるい人生とはオサラバしたらどうか。
「いろいろと忙しいので、本を読む時間が作れない」と言い訳をしている人は、まずテレビのスイッチを入れるのをやめなさい。
「家族団らんでテレビを見るのも、一つの家庭サービスだ」と反論するかもしれないが、例えば、小さい子供がいる家庭であれば、童話を一緒に読んで、「どういう生き方が美しい生き方なのか」を親子で話し合ってみるのもいいのではないか。そのほうが何十倍、何百倍も質の高い家庭サービスではないか。
私が今ドイツ語の原書と照らし合わせながら読んでいるグリム童話『完訳グリム童話集 1 (講談社文芸文庫) 』には、人生を考えさせてくれる興味深い話が満載である。
例えば、「ホレばあさん」という話は、勤勉なのに虐げられ続けていた少女は最終的には報われ、怠け者なのに溺愛されていた少女は最終的には惨めな結末を迎えるという話だが、こういう寓話を親子で読んで話し合えば、親子が一緒に時間を過ごせるせっかくの正月休みをくだらないテレビ番組で埋め尽くすよりも何十倍、何百倍もの価値があることではないか?
子供にこういう寓話を読ませることで、子供に、「だらだら怠けて生きていたら、この少女のように惨めになってしまう。逆に、日頃から勤勉に働いていたら、一時的には不遇な目にあうかもしれないが、いつかはきっと報われる」という人生観を持たせることができるのではないか。
それだけではない。子供には日本語訳で読ませ、自分は英語なりドイツ語なり(自分が勉強したい言語)で読めば、「子供とのコミュニケーションを図る」という目的と「自分の外国語の能力を高める」という目的が同時に達成でき、非常に質の高い時間を過ごせるのではないか。子供も高め、同時に自分も高められるのだ。
あなたが本当に自分を高めようと思っているのなら、今すぐこの正月休みに読む本を1冊以上見つけてほしい。さあ、今すぐだ。
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