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「仮象の目標」に拘るな

 「仮象の目標」に拘ることがいかに愚かなことか、例え話で説明してみよう。あくまで例え話であるので、その点留意してほしい。私がこの例え話で言いたいのは、「仮象の目標」に拘ることがいかに愚かなことかなので、それをしっかりと見極めてほしい。

 私は2年間外国に留学していたことがある。その国にはその国でしか使えないクーポン券がある。それはお金と同じように使えるのだが、お金には換金できない。当然、日本円にも換金できない。

 その国に永住するのであれば、クーポン券をたくさん稼げば稼ぐほど、いいだろう。なにしろクーポン券といっても実質的にはお金と一緒だから、お金をたくさん持っているのと同じようなものだ。そういうわけで、クーポン券獲得に必死になっている人もいた。

 しかし、いずれ日本に帰国することが分かっている人間にとって、使い切れないほどクーポン券を獲得することに何か意味があるだろうか? 例えば、あと1ヶ月で日本に帰国するとしよう。となると、その1ヶ月以内にクーポン券をすべて使い切ってしまわないと、ただの紙切れ同然となる。他人に譲ることもできず、換金することもできないのだから、まったくただの紙切れになるのだ。

 では、逆に日本に帰国して役に立つものとは何か? 英語力を磨いておけば、転職に役立つだろう。だれにも負けない英語力を備えておけば、通訳だろうが翻訳家であろうが、難なくなれるだろう。

 こういうことが分かれば、時間の使い方が変わってくるだろう。アクセクアクセクとクーポン券の獲得に時間を割くのが馬鹿らしくなって、そんなことをしているくらいなら、少しでも英語力を磨いておこうと思うだろう? 

 これで「真の目標」と「仮象の目標」の違いがお分かりいただけたのではないか。

 人間界ではお金をたくさん稼ぐことは意味があるように思えるかもしれないが、人間界を去って霊界に行けば、お金なんて何の意味ももたなくなるからだ。一方、人間界を去って霊界に行ったときに役にたつもののといえば、隣人愛である。言い換えれば、「他人に対する思いやり」といってもいい。それこそが霊界で役に立つのだ。

 どうだろうか。これでお金を稼ぐことよりも、「他人に対する思いやり」をもつことが何倍も大切であることが分かっていただけだろうか。

 お金を稼ぐことを目標にするなとは言わない。しかし、それは、例えて言えば、留学している人間がその国でしか使えないクーポン券を獲得しようとアクセクするのと同じようなものだと言っているのである。留学している人にとって「真の目標」は少しでも英語力を磨いて日本に帰国することであるならば、人間界に生きている我々にとっての「真の目標」とは「他人に対する思いやり」を持つことだと言えよう。その「真の目標」に比べれば、お金を稼ぐことはちっぽけなちっぽけな「仮象の目標」にしかすぎないのだ。

 お分かりいただけただろうか? 

 あなたはその「真の目標」のために日々努力しているだろうか? それとも「仮象の目標」だけしか見ていないだろうか? 

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