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2017年5月10日 (水)

悪夢

 悪夢を見た。よく見る悪夢だ。
 出版直前まで編集者と二人三脚で書き進めてきた本が、出版のまさに直前になってから出版が延々と遅らされ、いつまで経っても何の知らせもなく、問い合わせをしてものらりくらりの対応しかしてくれず、何年も出版が伸ばされた挙句にとうとう出版が中止になるという悪夢である。
 私は60冊近く本を出してきたが、出版社の一方的な事情で勝手に出版が中止になったことが5回くらいある。(誤解のないように言っておくが、その大半は翻訳書だ。翻訳のクオリティについては出版社から批判をうけたことはない。つまり、出版が不可能になるほどクオリティが低かったことは一度としてないということだ。なのに出版社の都合で勝手に出版が中止にされるのだ)。
 そういうとき、誠意ある対応をしてくれるところはほぼ皆無だ。 

 赤ん坊をみごもった女性が、まさに出産直前に勝手に堕胎されるくらいの衝撃を受ける。

 何か月もフルタイムで全力で書き上げたものが、勝手に中止にされる悲しみというのは、経験してみた人でなければ分かるものではないだろう。
 私はそういう悲劇を経験して分かったことがある。
 それはそういうときに誰も助けてくれないということである。
 頼れるのは自分だけだ。
 それまでいい顔をしていた編集者は手のひらを返したように嘘八百を並び立てて保身に走る。結局、かわいいのは自分自身だけなのだ。
 そういう経験を何度もして、出版そのものに興味を失っている。
 出版社は、金、金、金…で動いている。
 特に出版不況の今、一番ほしいのはよく売れる本だ。つまりは金だ。
 その金を得るために、やってはいけないことまでもやる人がいる。
 生きていて何が一番大切なのか?
 金か? 名誉か? 昇進か?
 私が思うに、人間、生きているうえで一番大切なのは「より善い人間になろうと努力すること」ではないか。
 金ではない。
 名誉でもない。
 地位でもない。
 「より善い人間になろうと努力すること」ではないのか?
 それが一番神様に愛されることではないのか?
 金のために他人に傷つけることをやっていては、金はたんまりたまるかもしれないが、神様には愛されないだろう。そんなことを一生やり続けて金をたんまりためて、あの世にでも金をもっていくつもりか? あの世では金は何の役にも立たないのに。
 今から思えば、「流産」ともいえる出版直前の出版中止を経験できたことは、私にとっては良かったことだと思う。
 というのも、人間にとって「より善い人間になろうと努力すること」のほうが金儲けの何千倍も大切だということに気付いたからだ。
 悪夢を見るたび、そんなことを思う。 
 
 

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