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2018年2月13日 (火)

学歴と語学力

学歴と語学力について書いてみたいと思います。
 
産業翻訳家時代の社長は京大卒。人を判断するときの最大の基準は学歴でした。もっと正確に言えば、学校歴。
 
翻訳部員を何かの機会に他社の人に紹介する際も、
 
「彼女は東大大学院出ているんですよ。彼女は東外大。彼女は慶應。どうです、ウチの部員、つぶがそろっているでしょう」
 
などと出身大学名で紹介をし、青学卒の私の紹介を省くということをしばしばやられたのでした。
 
では、はたしてみんなは英語の資格はもっていたのでしょうか。
 
答えは、ノーです。
 
京大卒社長は大学を出て以来、特に英語の勉強をしていたわけではなく、英語の資格も持っていませんでした。学生時代に英語が得意だったことが忘れられなかったのか、英語力があると確信しているようでした。
 
東大大学院終了の女性は、大の資格嫌いでした。英検もTOEICも他の英語関連資格も受けたことがないといっていました。口癖のように「あんな反射神経をはかるようなのでは英語の実力は計れない、私はあんなのは受けない」といっていました。
 
慶大卒の女性は入社して1か月も経たないうちに無断欠席を何度も繰り返し、2か月後にはいなくなったので、英語の資格については分かりませんでした。
 
東大外出身の女性は英検準1級を持っていましたが、1級に挑戦したという話は聞いたことがありませんでしたし、TOEICも受けたことがなかったようです。
 
その一方で、私は資格でカバーしようと思っていたので、かたっぱしから英語関連資格を受けていました。英検1級1次合格(2次は不合格)、国際英検1級、旅行業英検1級、TOEIC900、英日翻訳士、日英翻訳士、オックスフォード英検上級などなど。
 
京大卒社長は何かと出身大学名で人を判断する癖があったため、英語の資格をもっていようがもっていまいが、出身大学名で、英語力を評価していました。
 
ある日、無名(というより、その人には悪いですが、かなり偏差値の低い大学)の男性が翻訳者として応募してきたことがありました。英検1級取得者でしたが、社長はこう言いました。
 
「英検1級持っているっていっても、しょせんは●●大だろ? 単なる英語バカだよ。こんな人は大学に遊びに行っているんだから、まともな翻訳などできるわけはない」
 
私は、英検1級1次までしか合格していなかったので、その人には敬意を払ってはいましたが、社長は大学名だけでバッサリ。
 
笑ってしまうのは、外国人の校正者を採用するときも、大学名にこだわっていたことです。
 
「このイギリス人、どこの大学出てるんだ? ●●大? 聞いたことないな。イギリスといえば、オックスフォードかケンブリッジだろ。それ以外はたいしたことないんじゃないのか。どうなんだ?」
 
私は、外国人の校正者の出身大学までこだわる社長を、いくらなんでもちょっと行きすぎじゃないかと思わずにはいられなかったのでした(笑)。

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コメント

随分嫌な経験されていますね。
立派な学歴を持っていても、一人の人間としては評価の低い人間ですよ。僕は立派な学歴はないので、資格やら知恵を身に着けたいですね。今は株のお勉強中

投稿: UKロック好き | 2018年2月13日 (火) 21時57分

こんにちは。お久しぶりです。
いろいろな価値観をもっている人がいますが、学歴というフィルターを通してしか人を評価しない人は確かにやっかいでした(笑)。
株のお勉強をされているのですね。がんばってくださいね。


投稿: 宮崎伸治 | 2018年2月13日 (火) 22時05分

社長は翻訳会社まで経営し、相当英語に自信がおありのようですが、英語がしゃべれなかったんですよね?

オーストラリア人が日本語勉強しないと嘆く前に、自分が英会話を学ぶべきでしょう。

社長自身がまさしくlazyですね(笑)。

求人広告の翻訳も、宮崎さんに頼む暇があったら、短文なのだし、自分でチョッチョっとやったほうが、速いですよね?

それが出来なかったというのは、実は翻訳力もなかったのでは?

学歴しか誇れないとは、よほど自分に自信がないんでしょうね。器の小さい人物ですね。

投稿: らぶやんぐ | 2018年2月15日 (木) 19時25分

おひさしぶりです。
京大卒社長は英会話はまったくといっていいほどできませんでしたが、学生時代に英語の成績が良かったのが忘れられなかったのか、読解には自信をもっていたようです。
彼は「学校歴」で人を採用する癖があったためか、トラブルが絶えず、翻訳部は4年で消滅しました。

投稿: 宮崎伸治 | 2018年2月15日 (木) 19時51分

早速のコメントありがとうございます。

宮崎さんが著名な翻訳家として世に出てから、
その社長は何か連絡などしてきましたか?

社長は宮崎さんのことを、
ことごとくなめてかかっていたわけですから、
宮崎さんの大出世は、
さぞかし悔しかったことでしょう。

逆転満塁ホームラン、
ざまあみろ、ですね?(笑)

努力家の宮崎さんには、
本当に頭が下がります。

投稿: らぶやんぐ | 2018年2月16日 (金) 07時37分

私が退職してからは連絡を取り合うことはなくなりました。

人はだれしも信念をもっていますが、私は、他人の信念を変えるのはほとんど不可能に近いことだと思っています。

東大、京大、早稲田、慶応など偏差値がトップの大学は人気ランキングでトップに位置しますが、その反面、「嫌いな大学」でも上位に入ることがよくあります。優秀な人がいる反面、学歴だけで人を判断して自分より偏差値の低い大学の人を小ばかにするような人もいるからではないかと推測します。

私がイギリス留学のために退職する際、京大卒社長からどこの大学院に行くのか聞かれ、「シェフィールド大学院です」と答えると、「イギリスといえばオックスフォードかケンブリッジだろう? それ以外の大学に行く意味があるのかね? そんな大学、行っても何の意味もないと思うがな」と言っていました。社長の信念体系は簡単に変わることはないので、反発することなく、聞き流しておきました(笑)。

投稿: 宮崎伸治 | 2018年2月16日 (金) 11時11分

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