« 夢のような「映画活用法」 | トップページ | ドラゴン堀江 »

2018年8月13日 (月)

国際言語オリンピック

2020年に東京オリンピックがあるが、外国語学習者が興味を持ちそうなオリンピックに「国際言語学オリンピック」というのがある。「オリンピック」とはいっても、もちろん運動競技ではなく、国際科学オリンピックの一つである。

 

一応、言語学の分野で修士号を取得している私としては興味深々だ。いっちょ、国際言語学オリンピックに参加して世界一を目指すか。

 

とも思ったが、しかしそもそも国際言語学オリンピックとは何なのか。

 

Wikipeidaには次のような説明がある。

 

「主に言語学の分野が出題される。テストは個人戦と団体戦があり、個人戦は制限時間6時間で5問を、団体戦は一つの難解な問題を4人一組のチームで協力して解く。 団体戦の制限時間は、年によって異なる。 主な出題ジャンルは音声学・形態論・意味論など」

 

6時間とは長い。長すぎる。そんなに長い時間に5問とは一体どんな問題なのか。

 

今まで私が受けた試験で一番長い試験はシェフィールド大学とロンドン大学の年度末試験で1科目3時間の論述試験だったのだが、途中でトイレに行くのは自由となっている。しかし6時間となると、トイレに行きたくなるだけではなく、途中で腹が減ると思う。しかし、まさか食事は認めてもらえないだろう。

 

5問といっても、大問5問という意味であり、大問1問はさらに何問かの小問に別れている。

 

国際言語学オリンピックとは謳われてはいるが、言語学の知識は求められておらず、言語学の知識がなくても全く不利になることはない。問題としては、世界に沢山存在する言語の中でも、ごく少数しか使用していない言語が5つ選ばれており、その言語で書かれた何文かとその日本語訳を比較することで、その文法規則を見破るというものが多い。

 

ちなみに2017年に行われた国際言語学オリンピックの個人戦に出された言語はピロム語、アブイ語、キンブンド語、ラベン語、マダク語である。

 

過去問がアップされていたので興味のある人はリンク先に飛んでいってほしい。

 

http://www.ioling.org/booklets/iol-2017-indiv-prob.ja.pdf

 

私は問題を見ただけで気絶しそうになった。私なら6時間考えたところで一問も解けない可能性が高い。こんなところでは言語学の修士号など何の役にも立たない。

 

率直なところ、これは高度な「知能テスト」のようなものであり、本人の努力でどうにかなるものではないという気がしてならない。

 

まったく知らない言語の文とその日本語訳をいくつか見比べることで、文法規則を見出し、解読するというテクニックは、あっても損はないだろう。将来、今まで見つかっていなかった言語の読解に携わるという仕事もあるかもしれない。だから、興味が湧いた人はどうぞ国際言語学オリンピックに挑戦してほしい。

 

しかし私はそれほど興味が湧かなかった。私が外国語学習をしているのは、やはりそれによって自分の人生を豊かにしたい、究極的にはより良い人間になり、より社会に貢献したいという願いがあるからであり、そのための最良の方法の一つとして世界の名著を原著で読みたいからである。何も、まったく知らない言語を解読する能力がほしいからやっているわけではない(そういった能力を否定しているわけではないが)。

 

というわけで、もし私がオリンピック的なことを日本で開催するのであれば、現在日本人が実際に学習している言語のボキャブラリーに関する問題で行いたいと思っているのである。つまり、本人の努力がそのまま直接点数に反映されるような試験にしたいと思っているのである。私は「能力そのもの」よりも、その試験に向けて「どれだけ本人が努力したか」のほうが大切だと思っているからである。

 

(もちろん国際言語学オリピンックでも事前に過去問を研究するなどすれば多少なりとも点数アップにつながるかもしれないが、基本的に知らない言語の文法規則を見破る試験なので、努力がそのまま反映されるという部分は、一般の外国語検定と比べれば低いと思っている。なので私は興味がもてないのである)。

|

« 夢のような「映画活用法」 | トップページ | ドラゴン堀江 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/520537/67052604

この記事へのトラックバック一覧です: 国際言語オリンピック:

« 夢のような「映画活用法」 | トップページ | ドラゴン堀江 »